自転車でお尻が痛い人へ。サドルを20個試してわかった「痛み解消」の本当の答え

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Fizikアリオネサドルの画像
この記事でわかること
  • 痛みの原因はサドルではなく「セッティング」と「皮膚ケア」にある
  • 調整ポイントは4つ:高さ・角度・前後位置・骨盤の使い方
  • Zwift・ロングライドの股ずれには「タオル4枚」+「Protect J1」が最強
  • 新しいサドルを買うのは、これをすべて試してから

「このサドルが合わないのかな」とネットで検索して、また新しいサドルを買う。数週間後、また痛くなる。また調べて、また買う——。

その繰り返しに心当たりはありませんか? はい、かつてのわたしです。

Amazon・メルカリ・海外通販と、あらゆるサドルを買っては売ってを繰り返し、合計20個。ようやくたどり着いた結論は、少し悔しいものでした。

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20個試してわかった真実

「魔法のサドルなんて、どこにもない」
高級サドルを買う前に、セッティングと皮膚ケアを見直す方が、よほど安上がりだった。


目次

痛みの原因は「モノ」ではなく「セッティング」

まず、わたしの恥ずかしい「サドル沼」の歴史をご覧ください。

Amazonの購入履歴の画像
当時の必死さが伝わる購入履歴……
🛒 7個 Amazon
📦 9個 メルカリ等フリマ
✈️ 3個 Wiggle(海外通販)
🚲 1個 サイクルショップ

穴の開いているもの、クッション多めのもの、フラット/ウェーブサドル形状のもの、そして密かに女性用サドルもためしました。その数、合計20個。これだけ試してわかった真実は、「セッティングが間違っていれば、どんな高級サドルを使っても痛くなる」ということです。

現在わたしが愛用している「痛くないサドル」でも、セッティングを変えれば痛みや痺れが出ます。問題はサドルではなくセッティングにあったのです。


なぜ合わないのか?まず「自分の身体」を知る

セッティングの話に入る前に、一つだけお伝えしたいことがあります。長年の仕事や生活習慣で、わたしたちの体には必ず「身体のクセ(歪み)」が生じています。それを知らずに調整しても、的外れな対処になりがちです。

わたしは「脊柱側弯症」です

いくら調整しても右足に痺れや痛みが出ていました。原因を探っていくと「脊柱側弯症」(背骨が曲がっている)に辿り着きました。そのせいで「骨盤が左下がり」になっているのです。

脊柱側弯症のイメージ画像
脊柱側弯症のイメージ画像

サドルに座ると左腰が下がり上半身が左に寄るため、左手に荷重がかかり、左右のペダリングバランスも崩れていました。

💡 あなたにも「体のクセ」が必ずある デスクワークで丸まった背中、利き手側に偏った重心、昔のケガの後遺症——。何をしても痛みが消えない場合、サドルのせいにする前に整体やフィッティングで客観的に診てもらう価値はあります。わたし自身、現実を受け入れてから道具で補う方向に切り替えて、痛みのループから抜け出せました。

わたしは「左腰を上げる、右を下げる」を意識しながら、物理的な左右差は「クリートスペーサー」で補正しています。

SHIMANO(シマノ)SM-SH20 クリートスペーサーセット

痛みをとる、4つの調整ポイント

身体の歪みを踏まえた上で、具体的にどこをどう調整すればいいか。20個のサドルを試してたどり着いた正解は以下の4点です。

📏① サドルの高さ
低めにする。見栄は捨てる。骨盤の揺れが止まり、股ずれの原因が消える。
📐② サドルの角度
少し前下がりに。骨盤が前傾しやすくなり、尿道への圧迫が軽減される。
↔️③ 前後位置
後ろ寄りが漕ぎやすい。KOPS(膝の皿がペダル軸の真上)を起点に調整。
🦴④ 骨盤の角度
股関節から骨盤を前に倒す。「点」ではなく「面」で体重を支え、痛みを分散。

1. サドルの高さ:「低め」が正解

ロードバイクのサドルは高い方がかっこいい

そんな価値観や欧州選手のフォームへの憧れ、今すぐ捨てましょう。

サドルが高すぎると、ペダルが一番下(6時)に来たとき足が伸びきってしまい、それを補おうと骨盤が左右に揺れます。この「揺れ」がサドルと皮膚の摩擦を生み、股ずれや痛みの直接原因になります。高さを下げるだけで、この揺れがピタッと止まります。

  1. 裸足でサドルにまたがる
  2. ペダルを一番下(6時)の位置にする
  3. 「かかと」がペダルに付き、膝が少し曲がるくらいに合わせる

これは一般的な計算式より「低め」になります。関節の可動域も狭まっているアラフィフのわたしには、低めの方が無理がありません。わたしの場合、1cm下げただけで骨盤の揺れがピタッと止まり、30分で出ていた痛みが消えました。

✅ 調整後の確認ポイント
漕いでいるときに骨盤が左右に揺れていなければOKです。ローラー台やZwift中にスマホで後ろから動画を撮って確認するのが一番手っ取り早い方法です。揺れが残っているなら、もう少し下げる余地があります。

2. サドルの角度:前下がりで「逃げ場」を作る

「サドルは水平であるべき」という固定観念も捨ててください。

鼻先(先端)を少し下げる「前下がり」にすることで、骨盤が自然に前傾しやすくなり、尿道への圧迫も軽減されます。腰痛持ちの方や前傾姿勢が辛い方には特に効果的です。目安は1〜3度。やりすぎると前にずり落ちる感覚が出てくるので、そこが限界のサインです。

シートポストは一本締めではなく、二本締めで無段階に角度を変えられるものを使うと調整がスムーズです。新しいサドルを探す予算があるなら、先にシートポストに回す方が効果は大きいです。

NITTO(日東)S92 シートポスト 250mm 27.2|セットバック0

3. サドルの前後位置:後ろ寄りが漕ぎやすい

前後位置は後ろ寄りの方が漕ぎやすく、路面からの突き上げも分散されます。

基本の目安は、ペダルを3時(水平)の位置にしたとき、前足の膝の皿がペダル軸の真上に来る位置です。これをKOPS(Knee Over Pedal Spindle)と呼びます。まずここを起点にして、前後1cmずつ動かしながら自分の最適点を探っていく流れになります。

より詳しく追い込みたい方は『自転車の教科書』が参考になります。体重という武器をフル活用して漕ぐ感覚も、この本を読むとよく理解できます。

小学館文庫自転車の教科書

4. 骨盤の角度:「点」ではなく「面」で座る

「坐骨が痛い」という方は、骨盤が後傾して坐骨の尖った部分(坐骨結節)がサドルに刺さっている状態です。

坐骨結節のイラスト画像
坐骨結節
骨盤の前傾と後傾のイラスト
骨盤の前傾と後傾
悪い例:猫背・骨盤後傾
背中を丸めると骨盤が後ろに倒れ、坐骨の尖った部分がサドルに刺さる。腰への負担も大きい。
良い例:骨盤前傾・体幹で乗る
おヘソを前に出すイメージで股関節から骨盤を前に倒す。面全体で体重を支え、痛みが分散される。
✅ 自宅でできる感覚の練習
椅子に浅く腰掛けて、意識的に骨盤を前に倒してみてください。坐骨の「点」から太ももの付け根の「面」に体重が移るのが感じられるはずです。この感覚を自転車の上でも再現するのが目標です。最初は腹筋が必要で疲れますが、ここは辛抱です。

長時間ライドで股ずれを防ぐ皮膚ケア

セッティングが完璧でも、長時間乗れば痛くなることがあります。大量の汗で皮膚がふやけ、サドルとの摩擦で股ずれが起きます。ふやけた皮膚はわずかな摩擦でも痛みが出やすく、セッティング以外のアプローチが必要です。

① 「タオル4枚使い」でパッドを濡らさない

長時間Zwiftを行うイギリス人ライダーから教わった、泥臭いですが最強の秘策です。

1️⃣お腹周り(脇腹も)に1枚
前面の汗がパッドへ流れ落ちるのをブロック
2️⃣背中(腰)に1枚
背面の汗が腰から流れ落ちるのをブロック
3️⃣お尻の割れ目の上に小さなハンカチ1枚
直接パッドに流れ込む汗を最後の砦でブロック
4️⃣首に1枚巻く
首・頭からの汗が全身に広がるのを防ぐ

1時間ごとに全交換します。洗濯物が増えて家族には呆れられますが、効果は本物です。

② 最強の保護クリーム「Protect J1」を塗る

ワセリンや様々なシャモアクリームを試しましたが、わたしのファイナルアンサーは「Protect J1」です。股間・坐骨周りなどサドルと触れる皮膚に直接塗ると、5分ほどで強力な保護膜を形成し、ふやけと摩擦を鉄壁ガードしてくれます。

Zwift前、パワーメーターの校正は忘れても「Protect J1」だけは絶対に忘れません。それくらい依存しています(笑)。

Earth Blue(アースブルー)Protect J1 長時間持続型保護クリーム|お徳用150ml

実例を2つ挙げておきます。調整で化けたサドルと、形状そのものが答えだったサドルです。

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まとめ:サドルを買うのは「調整」と「ケア」をしてから

お尻の痛みは、自転車を辞めたくなるほど辛い悩みです。でも原因の多くはサドルそのものではありません。

調整 サドルを
低く・前下がりに

見栄を張らず
数ミリの高さと角度で
痛みは消える

フォーム 骨盤を倒し
体全体で乗る

「点」ではなく「面」で座り
荷重を分散する

皮膚ケア Protect J1
+タオル

ふやけと摩擦から
デリケートな肌を
鉄壁ガード

20個のサドルを買って、最後にたどり着いたのは「サドルじゃなかった」という答えでした。高さを1cm下げる、角度を2度傾ける、クリームを塗る——どれも数分・数百円でできることばかりです。痛みが消えたとき、景色を見る余裕が生まれて、本当のサイクリングを始めることができました。

セッティング、うまく行きますように。
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