「クロモリフレームは、しなやかで乗り心地が良い」
ネットや雑誌でよく目にするこの言葉。これを信じて、私は中古のMTBからBasso(バッソ)のクロモリクロスバイク「LESMO(レスモ)」に乗り換えました。
しかし、納車初日に私が感じたのは「衝撃」でした。良い意味でも、悪い意味でも。
この記事では、50代のバイク初心者がネット通販で現物を見ずにBassoレスモを購入し、実際に7年間乗り続けた「嘘偽りないインプレッション」をお届けします。
これからクロモリのクロスバイク、特にBassoレスモの購入を検討している方は、私の「失敗談」も含めてぜひ参考にしてください。
結論:クロモリは「しなやか」?いや、ガチガチでした

いきなり結論から言ってしまいます。 私がBassoレスモに乗って最初に感じたのは、期待していた「包み込まれるような優しさ」ではなく「スポーツカーのようなガチガチ感」でした。
1. ポジションが「四つん這い」で怖い
まず、サドルに跨って驚きました。これまで乗っていたシティサイクルやMTBとは世界が違いました。
いざ!走りだそうとしたら、
- ハンドル位置が極端に低く(サドルより下にある)、
- 四つん這いのような乗車姿勢
なのです。
さらに、ハンドル操作が軽すぎます。少し右後ろを振り返ろうとしただけで、車体がフラフラと車道中央へ向かってしまう…。
どんな時でもまっすぐ進んだMTBとは全く違う!!
と、正直最初は恐怖すら感じました。
2. 乗り心地は「ガチガチ」でお尻が悲鳴
「クロモリ特有のしなやかな乗り心地」を期待していましたが、現実は違いました。
- 路面の凸凹をダイレクトに伝えてくるサドル、
- 高圧でカチカチのタイヤ・・・
「いつまでも乗っていたくなる」どころか、「お尻がヤバすぎ!一刻も早く降りたい」というのが本音でした。
恐ろしきネット購入の落とし穴・・・「想像していた乗り心地」と「リアルのガチガチさ」のギャップのすごさよ。
もしあなたが「失敗したくない」と強く思うなら、面倒でも実店舗で試乗することを強くおすすめします。
【解決策】「サドル交換」で劇的に変わりました
「このままでは乗らなくなってしまう…」 そんな危機感から、私はあるカスタムを行いました。
サドルの交換です。
クッション性の高い「VELO Plush(プラッシュ)」サドルをAmazonで購入して自分で交換しました。

結果、世界が変わりました。
あれほど苦痛だった路面からの突き上げがマイルドになり、なんと箱根まで走れるようになったのです。「自転車が辛い」と感じている初心者の方には「サドルを変えるだけで乗り心地が良く快適になるよ!」とおすすめします。
同じように痛みに悩んでいる方は、騙されたと思って試してみてください。
▼ サドルが硬すぎる!腰が痛い人は試して!
「走り」は本物。ただしギアは重い
乗り心地の面では苦労しましたが、走行性能に関しては驚きがありました。
シティサイクルとは次元が違う「スピード感」
硬いフレームは、ペダルを踏んだ力を逃さずに推進力に変えてくれます。 シティサイクルやMTBでは感じられなかった「踏めば踏むだけグイグイ進む感覚」。これは本当に超気持ちいいです。

「どこまでも走りたくなる」という感覚の正体は、この推進力のことだった?
初心者には重すぎる「ロードバイク並み」のギア
ただし、覚悟しておくべき点もあります。
Bassoレスモは、クロスバイクというより「フラットバーロード(ハンドルのまっすぐなロードバイク)」に近い設計です。
その証拠に、ロードバイク並みに重いギアがついてます。
- コンポーネント: SHIMANO Claris(ロード用)
- フロントギア: 50-34T
- リアギア: 11-32T
はっきり言って、めちゃくちゃ重いです。 坂道では、自転車が軽いというメリットを重いギアが見事に帳消しにしています。
普段からロードバイクに乗っている人が「街乗り用に」と買うなら大満足でしょう。しかし、私のような初心者が「ゆるくサイクリングを楽しみたい」と思って買うと、そのガチっぷりに面食らうことになります。
無謀にも「ヤビツ峠」に挑んだ結果

慣らし運転後、無謀にもサイクリストの聖地「ヤビツ峠」へ行ってみました。
- 登り: ギアが重すぎ・・・腰は痛いし呼吸は苦しい。
- 下り: スピードが出すぎる、命の危険を感じるほど怖い。
それでも、登りきった時の達成感は最高でした。 一つ言えることは、「ヘルメットは絶対に必要」ということです。このスピード域で転倒したら、帽子やノーヘルでは確実に命に関わります。
▼ 自転車用ヘルメットの選び方|安全マークを確認しよう

購入から7年後、Bassoレスモはどうなった?
2018年9月に購入してから約7年が経過しました(2025年現在)。 「失敗したかな?」と思った時期もありましたが、実は今でも手放していません。
現在は、インドアトレーニング(Zwift)専用バイクとして活躍中です。

なぜ7年後も現役なのか?
理由は「クロモリフレームが非常に丈夫だから」です。 固定ローラー台にセットしてガシガシ漕いでも、びくともしません。繊細なカーボンフレームでは気を使いますが、頑丈なクロモリなら安心です。
Bassoレスモ 基本スペック(参考)
- フレーム/フォーク: 4130クロモリ
- 重量: 約10.3kg(フレームセット実測:約3.3kg)
- コンポ: SHIMANO Claris
- 特徴: 細身のホリゾンタルフレーム、美しい塗装(ラメ入りJAPANカラー)
まとめ:Bassoレスモはこんな人におすすめ
初心者の私が7年間付き合ってみてわかった、Bassoレスモの「真実」をまとめます。
- 乗り心地: ノーマルだとガチガチに硬い(サドル交換で改善可)
- 走行性能: 推進力は素晴らしいが、ギア設定は重め(脚力必須)
- 耐久性: 非常に頑丈。長く付き合える相棒になる
「見た目の美しさ」と「走りの良さ」は本物です。 ただし、「ママチャリの延長で楽に乗りたい」という方にはおすすめしません。逆に、「ロードバイクに興味があるけど、ドロップハンドルは抵抗がある」「スポーツとして自転車を楽しみたい」という方には、最高の1台になるでしょう。
もし購入後に「硬すぎる…」と感じたら、まずはサドルを交換してみてください。それだけで、あなたの自転車ライフは劇的に楽しくなりますよ。
▼ 記事内で紹介した「魔法のサドル」VELO Plushの詳細
▼ ヤビツ峠の挑戦記録

