Garminウォッチで心拍数を計測しているサイクリストの皆さん、こんにちは!
「あれ?今こんなに心拍高い(低い)かな?」と、ごく稀に体感と計測データがズレる経験はありませんか?
この記事では、7年間Garminウォッチを愛用してきた筆者が、心拍計測の専門メーカーPolarの「Verity Sense」と、愛用のGarmin Vivoactive3を同時に装着し、100kmサイクリングで心拍データを徹底比較・検証しました。
先に結論を申し上げますと、心拍データの「安定性・信頼性」を求めるならPolar Verity Senseがおすすめです。
Garminも日常使用では問題ありませんが、激しい運動中の「瞬間的な心拍の乱れ(スパイク)」はPolarには見られませんでした。
この記事を読めば、あなたのサイクリングやトレーニングの目的に応じて、どちらのデバイスが最適かが明確になります。
🚴 100km実走比較!GarminとPolarの計測結果
Garminウォッチ(手首)とPolar Verity Sense(二の腕)を同時に装着して走った100kmサイクリングの実際の計測結果をご紹介します。
📊 計測データ比較(最大心拍に無視できない差が!)
まずは、両デバイスで記録された心拍数のサマリーデータをご覧ください。
| 計測項目 | Polar Verity Sense | Garmin Vivoactive3 |
| 最大心拍数 | 139 bpm | 146 bpm |
| 平均心拍数 | 115 bpm | 116 bpm |
平均心拍数は1bpmの差でほぼ同じですが、最大心拍数には7bpmという無視できない差が出ました。
📈 グラフで確認!Garminの心拍が急上昇した「77km地点」のブレ
次に、両者の心拍データグラフを比較してみましょう。

(下の赤線が心拍データです)

(同じく赤線が心拍データです。スピードや温度はGarmin Edge130Plusのデータ)
グラフを詳細に確認すると、走行距離77km地点あたりで、Garminの心拍数のみが一時的に急上昇し、146bpmを記録していることがわかります。この時、Polarの心拍数には特段の変化はありませんでした。
筆者の体感としても、このタイミングで心拍数が急激に上がるような負荷はかけておらず、Garminの146bpmは明らかな「計測ノイズ(データの荒れ)」だと判断できます。
Garminウォッチは、ごく稀に実際の体感とかけ離れた数値(急激な心拍数の上下)を記録することがあるのが正直なデメリットです。
🤔 なぜ心拍データに違いが出るのか?
このデータ差が生まれた原因は、主に以下の2点だと考えられます。
1. 計測する位置の違い
Garminウォッチは手首、Polar Verity Senseは二の腕で計測します。この位置の違いが、データの安定性に大きく影響します。
| 項目 | Polar Verity sense(二の腕計測) | Garminウォッチ(手首計測) |
| メリット | 浮きやズレがなく安定した計測が可能。 伸縮性の高いバンドが動きを吸収。 | 皮下脂肪が少なく、血管の変化を捉えやすい。 |
| デメリット | 皮下脂肪の影響で、計測が難しい場合がある。 | 手首の角度や動きで隙間ができやすく、 計測ノイズの原因になる。 |
長年の使用経験から、Garminウォッチは「軽めの運動や日常使い」では非常に優秀です。しかし、サイクリング中のハンドル操作や振動、ランニング中の腕の振りなど、手首の動きが大きいシチュエーションでは計測に乱れが生じやすい傾向にあります。
一方、二の腕でしっかり固定できるPolar Verity Senseは、激しい動きの中でも安定して皮膚への密着を保てるため、ノイズを拾いにくいです。
2. 照射するLED数の違い

上の画像からもわかる通り、Polar Verity Senseは6個のLEDを使用しているのに対し、Garmin Vivoactive3は3個のLEDを使用しています。(※Garminの最新モデルではLED数が増えているものもあります。)
もちろん、心拍データの正確性は「LEDの数=正解」ではありません。センサーの計測アルゴリズムや、光を透過させる技術も重要です。
しかし、より多くのLEDで皮膚内を広く、深く、明るく照らすことは、体毛や皮下組織の違い、皮膚の動きによるノイズの影響を減らすのに有効です。この「安定した計測」という点で、心拍専門メーカーであるPolarが一日の長があると言えます。
🎯 目的別!GarminとPolarの「本質的な違い」
GarminとPolarは、それぞれが持つ専門分野が異なります。この本質的な違いを理解することで、あなたがどちらの製品を選ぶべきかが明確になります。
| デバイス | 本質的なイメージ | 専門分野 | おすすめな人 |
| Garmin | 心拍計付きのGPS機器 | GPS・ナビゲーション | 距離や速度、ペースを最優先するランナーやサイクリスト。 |
| Polar | GPS機能付きの心拍計 | 心拍数計測・心拍ゾーン | 心拍ゾーンに基づいた科学的なトレーニングをしたい人。 |
Garmin(ガーミン): GPSメーカーとしての強み
Garminはアメリカ発のGPSメーカーです。1989年の創業以来、航空、船舶、自動車と、GPS技術を核に成長してきました。

特にランナー向けに2003年に発表された世界初のGPSウォッチ「Forerunner201」は、Garminの歴史の出発点です。
Garminウォッチの進化は、「高精度なGPS機能に、心拍計などの健康機能を統合していく」という流れです。したがって、マラソンでの正確な距離やペースの計測、サイクリングでのルートナビゲーションといったGPS性能の信頼性は抜群です。
Polar(ポラール): 心拍メーカーとしての強み
一方、Polarはフィンランド発の心拍メーカーです。1977年にクロスカントリー選手向けの心拍計を開発したのが始まりです。寒冷地でのバッテリー劣化に強い製品開発も得意としています。
さらには、馬用の心拍計まで製品化していることから、その「心拍計測」に対する専門性の高さが伺えます。

Polarの製品は、「高精度な心拍計測機能に、GPS機能などの補助機能を統合していく」という進化を遂げています。心拍数に基づいたゾーン2トレーニングなど、「身体の反応(心拍)を基にした科学的なトレーニング」を重視する方に最適です。
✅ 心拍トレーニングに本気ならPolar Verity Sense一択です
今回の比較検証と、両社の専門性を踏まえると、
- 総合的な利便性(GPS、多機能性):Garminウォッチ
- 心拍データの「正確性・安定性」:Polar Verity Sense
という結果になりました。
特に、心拍ゾーンを意識した「科学的で質の高いトレーニング」を重視する方、そして筆者のように「Garminウォッチの心拍データが時々荒れるのが気になる」と感じている方は、心拍計測専門のPolar Verity Senseを導入することをおすすめします。
より安定した正確な心拍データは、あなたのトレーニングの質を向上させ、パフォーマンスアップへの確実な一歩となるでしょう。
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今回使用したPolar Verity Senseについて、さらに詳細な使用感やZwiftでの活用方法を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
心拍データが途切れないことが、あなたのトレーニング体験を大きく変えます。

