
クロスバイクで
もっと軽快にキビキビ走りたい!
狭い道をもっとスムーズに走り抜けたい!
そんな願望はありませんか?
実は、ハンドル幅を変えることで簡単に実現できます。
というのも、、、
多くのクロスバイクは、56cm前後の比較的「広め」のハンドルが標準装備となっています。これは、安定性を重視し、どんな体格の人でもある程度乗りこなせるようにするためです。
スイスイ&キビキビ走りたい方にとっては、真逆のセッティングになってしまっています。
この記事では「ハンドルのショート化」について、そのメリット・デメリットから、具体的な交換方法、おすすめのハンドルまで、徹底的に解説していきます。
この記事を読み終える頃には、あなたのクロスバイクはスイスイと風を切ってキビキビと街を駆け抜ける、最高にクールな相棒へと生まれ変わる準備が整っているはずです。
ハンドルが広すぎるかチェックしましょう

まずはお乗りのクロスバイクにまたがり、ハンドルに手を添えてみてください。そして、自然な体勢でグリップを握ってみましょう。
その時、腕はどのような形になっていますか?
もし、脇が大きく開き、腕が「ハの字」に広がっているとしたら、そのハンドルはあなたの体格に対して「広すぎる」可能性が高いです。
- なぜ完成車のハンドル幅は広いの?
-
前述の通り、完成車に付属しているハンドルは、乗り手の安定性を最優先に考えて幅広に設計されています。ハンドル幅が広いと、テコの原理でハンドル操作が軽くなり、低速走行時や段差を乗り越える際に車体がふらつきにくくなるというメリットがあるためです。
そしてこの「安定性重視」のセッティングが、ある程度乗り慣れてきたサイクリストにとっては、いくつかのデメリットを生み出します。
広すぎるハンドルのデメリット
広すぎるハンドル幅のデメリットは次の3つです。
- 無駄な空気抵抗を受ける
腕が広がることで風を受ける面積が大きくなります。空気抵抗が大きくなって余計な体力を使ってしまいます。特に向かい風の日は辛くなります。 - 街中でヒヤヒヤ気をつかう
道路の左側を走っていると、バスやトラックが接触スレスレで追い越していくことがあり、ひっかけて転倒しないかヒヤヒヤします。また狭い道では他の自転車を追い越したりする際に、右に広がらないよう気をつかいます。 - 不自然な乗車姿勢による疲れ
広すぎるハンドルを握るために、不自然に腕を広げ続けると、肩や首、手首に余計な負担がかかります。長距離を走った後に「なんだか肩が凝るな…」と感じる方!ハンドル幅が原因かもしれません。
では、適切なハンドル幅とはどれくらいなのでしょうか?
あなたに合ったハンドル幅は?
一般的に、最適なハンドル幅の目安は「自身の肩幅」と同じか、それより少し広いくらいと言われています。
肩の骨の最も出っ張っている部分(肩峰)の左右の幅を測ってみてください。
おそらく、多くの方が40cm〜45cm程度ではないでしょうか。
一方で、クロスバイクの標準的なハンドル幅は56cm~60cmのものが多く、10cm以上も広いケースが珍しくありません。

この「広すぎる」ハンドルを最適な幅に調整することで、クロスバイクの走りは劇的に変わるのです。
ハンドル幅を短くするメリット

(安全確保のために歩道で撮影しています)
では、具体的にハンドルを短くすると、どのような良いことがあるのでしょうか。ここでは、代表的な4つのメリットをご紹介します。
メリット1:空気抵抗が減って、巡航速度アップ!
ハンドル幅を狭めると、自然と脇が締まって乗車姿勢がコンパクトになります。これにより、風を受ける面積が小さくなり、空気抵抗が大幅に削減されます。
空気抵抗は速度の2乗に比例して大きくなるため、スピードが出れば出るほどこの効果は顕著になります。今までと同じ力でペダルを漕いでも「スーーッ」とバイクが進む感覚に驚くはずです。
ロードバイクのような、よりスポーティーな走りを手軽に実現できるのです。特に向かい風の中では、その差をはっきりと体感できるでしょう。
メリット2:街中での走行が心理的に楽になる!

これは都市部に住むサイクリストにとって、最も恩恵の大きいメリットかもしれません。
ハンドル幅が例えば左右で5cmずつ(合計10cm)短くなると、車体の横幅も当然10cm狭くなります。この「10cm」が、街中での走行に革命をもたらします。
- 車道の左端を走りやすい:電柱を避けるのも簡単だし、バスも余裕をもって追い越してくれるので安心です。
- 狭い歩道や路地でのすり抜け:歩行者や障害物へも余裕をもって対処でき、スムーズに通り抜けられます。
- 駐輪場での取り回し:隣の自転車にハンドルを引っ掛けることなく、サッと駐輪できます。
日々の通勤や買い物で感じる小さなストレスが解消され、街乗りがもっと楽しく快適になります。
メリット3:見た目がスタイリッシュに!

機能面だけでなく、ルックスが劇的に向上するのも大きなメリットです。
ハの字型に広げた腕よりも、脇の締まったフォームの方がスポーティーでカッコいいですよね。
シャープでキビキビとした走行感も走る気分を盛り上げます。サイクリングを続ける上で非常に重要なモチベーションになります。
知っておきたい短いハンドルのデメリット
もちろん、ハンドルのショート化は良いことばかりではありません。カスタムを行う前に、デメリットと注意点もしっかりと理解しておきましょう。
デメリット1:安定性の低下
これはメリットの裏返しになりますが、ハンドル幅を狭めるとテコの原理が働きにくくなるため、操作への反応がクイックになります。
微調整が難しくなるのでフラフラしやすく、安定性が若干低下するのです。
ただしこれは「慣れ」の問題が大きく、ほとんどの方はすぐに順応できます。極端に短くしすぎなければ、過度に心配する必要はありません。
デメリット2:姿勢の固定による負担
ハンドル幅を狭めて脇を絞めて乗っていると空気抵抗が減る一方で、人によっては首や肩、腰に負担を感じる場合があります。
動きの小さい姿勢をキープする疲労感です。
もし交換後に強い疲労感を感じる場合は、ハンドルが低すぎる可能性もあります。ハンドルの高さを調整することで、首や肩回り、背中が楽になることがあります。

注意点:パーツの取り付けスペースを確保する

ハンドルには、グリップ、ブレーキレバー、シフター(変速機)といった重要なパーツを取り付ける必要があります。ハンドルが短すぎると、これらのパーツを取り付けるためのスペースが不足してしまう可能性があります。
ハンドルを交換する前に、今お使いのハンドル上で全てのパーツ中央に寄せてみて、何センチずつ左右を余らせられるか確認してください。
それが最も短いハンドル幅となります。
自分に合ったショートハンドルの選び方
「よし、ハンドルを短くしよう!」と決意したあなた。次に考えるべきは、「どのくらいの幅にすればいいのか?」「どんなハンドルを選べばいいのか?」ということです
ハンドル幅の決め方
まずはご自身の肩幅を正確に測ってください。前述の通り目安は「肩幅と同じか、プラス2~4cm程度」になります。
ハンドルの種類(形状)
クロスバイクで使われるハンドルは、主に「フラットバー」と「ライザーバー」の2種類です。
- フラットバー:一直線のシンプルな形状のハンドル。ダイレクトな操作感で、スポーティーな走りに向いています。
- ライザーバー:グリップ部分が少し持ち上がっている(ライズしている)ハンドル。上半身が起き上がるため、よりリラックスした楽な乗車姿勢を取りやすくなります。
日東という日本メーカーのハンドルを例に説明します。
製品名 (種類) | 画像 | 概要 |
---|---|---|
B2500AA フラットバー | ![]() | 幅500mm フラットバー(210g) |
B201AA フラットバー | ![]() | 幅500mm リーチが35mm(210g) ハンドルを遠くしたい方に |
B220AAF ライザーバー | ![]() | 幅480mm グリップ38mmアップ 角度10°(265g) 姿勢を楽にしたい方に |
RB-021 ブルボーンバー | ![]() | 幅380,400,420mm ドロップ60mm リーチ167mm(265g~) 攻めのハンドル |
「もう少し楽な姿勢で乗りたい」ならライザーバーをおすすめします。
ご参考までに日東の製品一覧はこちらの公式HPで確認できますよ↓
素材はカーボンかアルミか?
ハンドルの素材は、主に「アルミニウム」と「カーボン」です。
- アルミニウム:一般的で、コストパフォーマンスに優れています。ほとんどの完成車に採用されており、色や形状の選択肢も豊富です。取り扱いも楽でおすすめです。
- カーボン(炭素繊維):非常に軽量で、振動吸収性に優れているのが最大の特徴です。長距離を走った際の腕の疲れが軽減されます。ただし、価格は高価なこと、ねじを締めすぎで割れるなどデメリットもあります。
クランプ径を合わせる
クランプ径とは、ハンドル中央の最も太い部分の直径のことで、ここを「ステム」というパーツで固定します。
クランプ径には主に「25.4mm」と「31.8mm」の2つの規格があります。ご自身のクロスバイクのステムがどちらの規格に対応しているかを、必ず確認してください。
ノギスで測るのが確実ですが、分からなければ自転車の型番で検索したり、自転車屋さんに相談したりしましょう。

適合しないハンドルは取り付けできませんので必ずチェックする必要があります。
こちらの記事に各クロスバイクのハンドル径も記載してあります↓

ハンドルの交換方法
では交換手順をお伝えします。必要な工具は六角のねじ回し(4,5,6mmあたり)です。
どのようなグリップが取り付けられているのかよく確認ください。
ゴム製でスポっとはめ込んであるようなタイプ(下画像)であれば、はさみなどで切って廃棄します。

ねじ止めされているタイプであれば、ねじを緩めて外してください。管理人はショートハンドル用の短いノグチのハーフグリップを愛用してます。

ワイヤー類は再利用しますので切断したりしないようにご注意ください。ねじで止まっているだけですので、緩めて左右の端から引き抜きます。

ステムのネジを外してハンドルを外します。

あとは新しいハンドルを取り付け、手順を遡って各レバーとグリップを取り付けてください。
取り付けは好みに合わせた角度で
B-WITCHのように曲がりが強いハンドルは、取り付け角度によって走行感覚がかなり変わります。

いろいろと試して好みの角度に合わせてください。
おすすめハンドル
520mm:日東 B2520AA
信頼の日本ブランド「日東」の定番フラットバー。美しい仕上げと高い精度で、多くのサイクリストから支持されています。初めてのハンドル交換で、間違いのない一本を選びたい方におすすめです。クランプ径25.4mm。

460mm:B-WITCH

日東の520mmよりも左右3cmずつ短いショートハンドルです。クランプ径25.4mm。

軽さを求める方におすすめです。

440mm:SATORI HORIZON
B-Witchよりも左右10mmずつ短いストレートハンドルです。クランプ径25.4mm。

とにかく真っすぐなのが特徴です。現在品切れが続いているのが残念です。
420mm:UPANBIKE キッズバイク用
SATORIよりもさらに短いキッズバイク用のハンドルです。クランプ径25.4mm。

ここまで短いとシングルギア専用になりそうです。パーツ類の取り付け注意です。
まとめ

ハンドルを短くして乗ってみるとその違いは大きいです。
車でいうと3ナンバーから5ナンバーになった感じで車幅感が違います。
- 取り回しが楽です
- 狭い道でもスイスイ
- 反応がクイックになって小石やマンホールもサッと除けやすい
- 駐輪場で威圧感を放つこともない
- バスやトラックの追い越しも多少気を使わなくなった
- 下りのスピードアップ
そうそう空気抵抗の大きい下りのスピードがグッとアップしますので要注意です。
あっという間に50km/h超えていくので恐怖感すら感じます。
速度を落としてくれぐれも安全運転で!