「もっと軽快にキビキビ走りたい!」「狭い道をもっとスムーズに走り抜けたい!」
そう願っているクロスバイク乗りのあなたは、もしかしたら、標準装備の「広すぎるハンドル」に悩まされているかもしれません。
実は、多くのクロスバイクは安定性を重視し、あなたの体格に対して10cm以上も広めのハンドル(56cm前後)が標準です。この「安定性重視」の設計が、軽快な走りを求めるサイクリストにとっては、逆効果になっているのです。
この記事では、クロスバイクのハンドルを「ショート化(短くする)」ことで得られる劇的なメリットと、あなたの体格に合った最適なハンドルの選び方、そして簡単な交換手順を、私の実体験と具体的なパーツ比較データを交えて徹底的に解説します。
このカスタムをすれば、あなたのクロスバイクは「安定志向のママチャリ」から「スポーティーで街乗りが快適な最高の相棒」へと劇的に生まれ変わりますよ!
1. あなたのハンドルは本当に「広すぎる」のか?チェックリスト

まずは、ご自身のクロスバイクのハンドル幅が体格に合っているか確認してみましょう。
自転車に跨がり、自然な体勢でグリップを握ってみてください。
もし、以下のような状態であれば、そのハンドルはあなたにとって広すぎる可能性が非常に高いです。
広すぎるハンドルのサイン
- 脇が大きく開いて「ハの字」になっている
- 長時間乗ると肩や首に凝りを感じる
- 車道の左端を走る時、電柱や駐車車両との距離にヒヤヒヤする
メーカーが標準装備するハンドルは、どんな体格の人でも安全に乗れるよう、あえて幅広(56cm~60cm)に設計されています。しかし、この幅広さが、快適なサイクリングを妨げる3つのデメリットを生み出します。
広すぎるハンドルの3大デメリット
- 🚴♂️ 無駄な空気抵抗の増大: 脇が開き腕が広がることで、風を受ける面積が増加します。特に速度が出ている時や向かい風の日には、余計な体力を使ってしまいます。
- 🚗 街中での走行ストレス: 車道の左端を走っていると、バスやトラックがハンドルに接触しそうになることがあり、常に緊張を強いられます。狭い駐輪場でも、隣の自転車に引っ掛けそうで気を使います。
- 😟 不自然な姿勢による疲労: 広すぎるハンドルを不自然な「ハの字」姿勢で握り続けると、肩や首、手首に余計な負担がかかり、肩こりの原因になります。
2. 【結論】あなたに「最適」なハンドル幅の決め方
最適なハンドル幅の目安は、ずばり「自身の肩幅」と同じか、それよりプラス2~4cm程度です。
これは、肩の骨の最も出っ張っている部分(肩峰)の左右の幅を基準にします。

多くの成人男性の場合、この幅は40cm〜45cm程度になるはずです。
標準の56cm〜60cmのハンドル幅がいかに広いか、お分かりいただけたかと思います。この差、約10cm以上を短くするだけで、あなたのクロスバイクの走りは劇的に変わります。
3. ハンドル幅を短くする【4つの劇的メリット】
適切な幅にショート化することで、クロスバイクはまるで別の乗り物のように進化します。
メリット1:空気抵抗が激減し、巡航速度がアップ!🚀
ハンドル幅を肩幅に合わせることで、自然と脇が締まり、乗車姿勢がコンパクトになります。これにより、風を受ける面積が大幅に減り、空気抵抗が削減されます。
体感としては、今までと同じ力で漕いでいるのに、「スーーッ」とバイクが前に進む感覚に変わります。ロードバイクのような、よりスポーティーで速い走りを手軽に実現できるのです。
特に、平坦な道での巡航速度の維持や、向かい風の中での走行が格段に楽になります。
メリット2:街中での走行ストレスが解消!

都市部での走行が多い方にとって、これは最も大きな恩恵です。
ハンドル幅が片側5cmずつ、合計10cm短くなると、車でいうと「3ナンバーから5ナンバーになった感じ」で、車幅感覚が劇的に変わります。
- すり抜け、追い越しがスムーズ: 狭い歩道や路地で、歩行者や障害物を余裕をもって避けられます。
- 追い越し車両への不安が軽減: 車道の左端ギリギリを走っていても、バスやトラックが余裕をもって追い越してくれるようになります。
- 駐輪場での取り回しが楽々: 隣の自転車のハンドルに引っ掛ける心配がなくなり、日々の小さなストレスから解放されます。
メリット3:操作感が「キビキビ」とクイックに!
ハンドルが短くなることで、テコの原理が変わり、操作への反応が機敏になります。
小石やマンホールもサッと避けられるようになり、「キビキビ」としたスポーティーな操作感を味わえます。よりダイレクトで楽しいサイクリングが可能になります。
メリット4:見た目が格段にスタイリッシュに✨

機能面だけでなく、見た目も重要です。脇が締まり、コンパクトになったフォームは、非常にスポーティーで洗練された印象を与えます。
「ハの字」の不自然な姿勢から解放され、シャープなルックスに変わることは、サイクリングのモチベーション維持にもつながります。
知っておくべき短いハンドルの「デメリット」
このカスタムにはメリットが多いですが、包み隠さず正直なデメリットもお伝えします。
デメリット1:慣れるまでの「安定性の低下」
ハンドルが短くなると操作がクイックになる分、特に低速時や初めて乗る時は、意図しない入力に対して大きく反応し、車体がふらつきやすくなります。
しかし、極端に短くしすぎなければ、数日で慣れることがほとんどです。過度に心配する必要はありません。
デメリット2:姿勢の固定による負担
脇を締めたコンパクトな姿勢は空気抵抗を減らしますが、人によっては首や肩、腰に負担を感じる場合があります。これは、姿勢を固定し続ける疲労感によるものです。
もし交換後に強い疲労感を感じる場合は、ハンドルの高さを調整することで、首や肩回り、背中が楽になる可能性があります。
🚨 最重要注意点:パーツの取り付けスペース
ハンドルを短くしすぎると、グリップ、ブレーキレバー、シフター、ベル、ライトなどの必須パーツを取り付けるスペースが不足します。

ハンドルを交換する前に、今お使いのハンドル上で全てのパーツを中央に寄せ、左右の余りを何センチ確保できるかを必ず確認してください。
もしギリギリまで短くしたい場合は、私のように短いグリップ(例:ノグチのハーフグリップ)に交換するなど、工夫が必要です。
筆者愛用:ショートハンドル化に必須のハーフグリップ
私が愛用しているのは、ノグチのハーフグリップ(95mm)です。これに変えるだけで、片側数cm、合計で10cm近くスペースを短縮できます。
| 製品名 | 寸法 | ベネフィット |
| ノグチ(NOGUCHI) グリップ [NGS-005] ハーフ95mm | 95mm×95mm(左右セット) | グリップ長を極限まで短縮し、 ハンドル両端の余りを確保できます |
ショートハンドルの選び方
「どのくらいの幅にすればいいのか?」「どんなハンドルを選べばいいのか?」という疑問にお答えします。
ステップ1:目標ハンドル幅の決定
前述の通り、「肩幅+2〜4cm」を目安に、40cm台(420mm〜480mm)を目標にしましょう。
| 肩幅目安 | 最適ハンドル幅の目安 |
| 40cm~45cm程度 | 420mm~480mm |
ステップ2:ハンドルの種類と素材
クロスバイク用は主に以下の2種類です。
| 種類 | 特徴 | おすすめな人 |
| フラットバー | 一直線。ダイレクトな操作感。 | スポーティーな走りを追求したい方 |
| ライザーバー | グリップ部分が少し持ち上がっている。 | 上体を起こしてリラックスした姿勢で乗りたい方 |
素材は、コストと取り扱いやすさからアルミニウムが一般的です。予算に余裕があり、振動吸収性を求めるならカーボンも選択肢に入ります。
日東は様々な形状のハンドルを販売しています。
| 製品名 (種類) | 画像 | 概要 |
|---|---|---|
| B2500AA フラットバー | ![]() | 幅500mm フラットバー(210g) |
| B201AA フラットバー | ![]() | 幅500mm リーチが35mm(210g) ハンドルを遠くしたい方に |
| B220AAF ライザーバー | ![]() | 幅480mm グリップ38mmアップ 角度10°(265g) 姿勢を楽にしたい方に |
| RB-021 ブルボーンバー | ![]() | 幅380,400,420mm ドロップ60mm リーチ167mm(265g~) 攻めのハンドル |
ご参考までに日東の製品一覧はこちらの公式HPで確認できますよ↓
ステップ3:クランプ径を合わせる
最も重要なのが、ハンドル中央の直径であるクランプ径です。
- 25.4mm(旧来のクロスバイクに多い)
- 31.8mm(ロードバイク規格。最新クロスバイクの一部に採用)

こちらの記事に各クロスバイクのハンドル径も記載してあります↓
筆者おすすめの「ショート化」ハンドル3選

ここでは、私が実際に使用したり比較した中で、特にショート化におすすめのハンドルをご紹介します。
定番の信頼性:日東 B2520AA (520mm)
信頼の日本ブランド「日東」の定番品。まずは極端なショート化を避け、標準から少しだけ短くしたい方におすすめの「間違いのない一本」です。クランプ径25.4mm。
🏆 軽量性と走行感を両立:B-Witch 460mm
私が愛用し、劇的な変化を感じたのがこのハンドルです。標準の56cmから片側5cmずつ短縮した460mmは、多くの日本人の体格に最適な「キビキビ感」をもたらします。
特に、日東の520mm(226.5g)と比較して167.8gと、大幅な軽量化も実現しています。

究極のショート化:UPANBIKE キッズバイク用 (420mm)
「とにかく短くしたい」という方、特に小柄な方やシングルギアの方は、キッズバイク用の420mmも選択肢に入ります。ただし、パーツの取り付けスペースがシビアになるため、細心の注意と工夫が必要です。
6. ハンドル交換の具体的な手順(DIY)
必要な工具は六角のねじ回し(4, 5, 6mmあたり)です。DIYで愛車をカスタムする喜びをぜひ体験してください!
どのようなグリップが取り付けられているのかよく確認ください。
ゴム製でスポっとはめ込んであるようなタイプ(下画像)であれば、はさみなどで切って廃棄します。

ねじ止めされているタイプであれば、ねじを緩めて外してください。
ワイヤー類は再利用しますので切断したりしないようにご注意ください。ねじで止まっているだけですので、緩めて左右の端から引き抜きます。

ステムのネジを外してハンドルを外します。

新しいハンドルに、外した変速レバー、ブレーキレバー、そして新しいグリップ(またはハーフグリップ)を取り付けます。
特に、曲がりが強いハンドルは、取り付け角度によって走行感覚が大きく変わります。実際に跨がり、乗りながら調整して、ご自身の最も楽でスポーティーに感じる角度を見つけてください。
7. まとめ:軽快な走りと快適な街乗りを今すぐ手に入れよう!

(安全確保のために歩道で撮影しています)
ハンドルをショート化して乗ってみると、その違いは非常に大きく、あなたのサイクリングライフが劇的に向上します。
- 取り回しが楽で、狭い道でもスイスイ!
- 操作がクイックで、小石やマンホールもサッと避けやすい!
- 駐輪場で隣の自転車に邪魔にならない!
- 空気抵抗が減り、特に下りでスピードがグッとアップする!
ただし、スピードアップする分、安全運転にはくれぐれもご注意ください。ヘルメットは必須です。

クロスバイクのハンドルをショート化することは、あなたの自転車を「軽快でキビキビ走る、あなたのためのカスタムバイク」へと変身させる、最も費用対効果の高いカスタムの一つです。
ぜひ、この機会にハンドル交換にチャレンジして、快適なサイクリングライフを手に入れてください!







