Zwiftを始めて1年。脚力はじわじわ伸びているのに、お尻の痛みだけが壁になっていました。2時間を超えると痛みでリタイヤ。いくつかのサドルを試してもどれもしっくりこない。
そんな状況を変えてくれたのが、ISM PR3.0です。トライアスロン向けの異形サドルですが、1ヶ月の試行錯誤を経てZwiftで8時間・箱根往復130kmを痛みなしで走れるようになりました。セッティングのコツも含めて詳しくレポートします。
いちばん分かりやすい変化を先に書きます。いまはレーサーパンツを履かずに100km走れます。パッドなしです。箱根往復130kmも、レーサーパンツなしで走りました。
ISM PR3.0とは?独特な形状がサドル痛みを解消する理由

ISM PR3.0は一見すると「穴あきサドルの前半分を切り落とした」ような、かなり個性的な形状をしています。ロードバイク用ではなく、もともとはトライアスロン用として設計されたサドルです。
一般的なGIANTのサドルと並べると、全長が大幅に短く、幅は広い。重さは364gで、クッションの厚みを考えると意外と軽量です。


ノーズ部の剛性をあえて下げ、しなりを生み出す独自構造。必要以上の突き上げを抑える。
短いノーズが会陰部への圧迫を構造的に排除。長時間ライドでの痺れを抑える設計。
水着のまま乗っても快適なレベルのクッション性。一般的なロードサドルとは別次元の厚み。
- Zwiftや室内トレーナーで1時間以上座り続ける人
- 会陰部の圧迫・痺れに悩んでいる人
- ロングライドでお尻の痛みが毎回限界になる人
- 前傾が浅めのクロスバイク・エンデュランスロードに乗っている人
通常サドルとは異なるセッティング方法
ISM PR3.0は公式セットアップガイド(英語)が存在しており、設定方法が通常のサドルとは明確に異なります。ここを間違えると本来の性能が発揮されません。
前後位置がいちばん動かす量が大きいところです。わたしは20mmのセットバックがあるシートポストにして、さらにその一番後方にPR3.0をセットしていました。
公式ガイドが定める4つのポイント
| 項目 | 設定値 | 内容 |
|---|---|---|
| サドル高 | −5mm | 通常のサドルより5mm低く(地面からの高さで見る) |
| 取付角度 | 0〜2° | 水平か、1〜2度の前下がり。座面で見る(レールで見ない) |
| 前後位置 | 5〜8cm後ろ | 前側アームを、通常サドルのノーズより後方へ |
| 座る位置 | 2.5〜7.5cm | 乗車時、体の後ろにサドルがこれだけ見える状態 |
サドルのセッティングを大きく変更する必要があるので、最初のひと月は試行錯誤が必須だと思います。サドルは後方に下げないと乗りにくいですし、さらに公式ガイドのように少し下げないと内股への圧迫を感じます。サドルの角度も非常に大事で、乗りやすさに直結します。
高さ・前後位置・角度、このすべてを見直すのでどうしても時間がかかってしまうのです。着座感覚も「どっかり座る」ではなく「椅子の前に腰掛けるようなイメージ」で、最初はかなりの違和感があります。
ただ、一度セッティングが決まればそれはもう快適で、レーサーパンツを履かずとも100km走れてしまうのです。
Zwiftと実走での使用感
Zwiftバーチャルブルべ200km:約8時間の記録

慣らし運転の場として、ZwiftのバーチャルブルべEvent(200km)に挑戦しました。トイレ・食事の休憩を含めてトータル約8時間座り続けた計算になります。
それまでの限界が「2時間でリタイヤ」だったことを思えば、これは劇的な変化です。
痛みリタイヤがゼロになった
連続着座記録
(休憩込み)
Zwiftブルべ
完走距離
痛みによる
リタイヤ回数
箱根往復130km:実走ヒルクライムでの感想
横浜の自宅から国道1号を登り、芦ノ湖まで往復する130kmライドでも試しました。


このサドル、「ドカッと座る」感覚がありません。「前の方にちょこんと腰掛ける」イメージです。これが意外にも走りを助けます。
ISMサドルシリーズの選び方
ISMはシリーズによって形状・用途が異なります。
| シリーズ | 正式名称 | 主な用途 |
|---|---|---|
| PN | Performance Narrow | トライアスロン・TT・トラック・ロード |
| PL←2026年現在愛用中 | Performance Long | ロード・MTB |
| PS | Performance Short | トライアスロン・TT |
| PR ←この記事のサドル | Performance Recreation | ロード・MTB・クロスバイク |
| PM | Performance Mountain | MTB |
クロスバイクやZwiftでのんびりロングライドしたい方は、PRシリーズがいいでしょう。PRシリーズの中でも数字が大きいほどクッションが厚くなります。この辺りは好みで。
なお、このPR3.0のあと、2021年12月にBROOKS Cambium C17へ一時的に乗り換えています。PR3.0に不満があったからではなく、世界一周で使われるサドルに座ってみたかったから。その後、また紆余曲折を経てISMサドル(PL1.1)に戻しました。
まとめ:ISM PR3.0レビュー
レーパンなしでZwiftできるサドル
実走での
無痛最長記録
Zwiftでの
連続使用記録
セッティングにかかる
調整期間の目安
- 会陰部への圧迫を構造的に排除する設計で、長時間ライドに強い
- セッティングは公式ガイド通り「5mm低め・水平〜2度前下がり・通常より5〜8cm後ろ」が基本
- 高さ・前後位置・角度を詰めるのに約1ヶ月。決まればレーサーパンツなしで100km走れる
- Zwiftでの長時間ライドに特に相性が良い
サドルとの相性は個人差が大きく、すべての方に合うとは言いきれません。ただ、「どれを試しても合わない」と感じているなら、通常サドルとは設計思想がまったく異なるISMは試す価値があります。2026年8月現在、わたしはISM PL1.1を使っています。PR3.0よりもサドル先端が少し細いモデルです。そしてほぼレーサーパンツなしで、ほぼ毎日Zwiftしています。暑い時だけはパールイズミのインドアレーパン(紹介記事へ)履いてます。
PR3.0は当時日本への発送をしていたWiggleで購入。その後、日本への発送をやめたことでアカウントを削除してしまったので、正確な価格がわかりませんが1万円台だったと思います。ISMは決して安いサドルではありませんが、レーサーパンツが不要となるので私にはお買い得に感じます。
いま使っているISM PL1.1
