これまで4iiiiの片側パワーメーターを使ってきました。パワーを知るだけならこれで十分でしたが、効率のよさ(左右バランスやベクトル)は分かりませんでした。
そこで、シマノのFC-R8100-P(アルテグラのパワーメーター付きクランク)を購入して、Zwift用バイクに付けました。左右を別々に測るので、左右バランスや力の大きさと向き(フォースベクトル)も見られます。

計測してビックリ。左右そろえて踏んでいるつもりでしたけど、酷いときは左63%、右37%とかで、それはもう衝撃でしたよ。2018年からZwiftしてるのに、そんなペダリングしてたとは・・・。
この記事では、 FC-R8100-Pで取得できるデータ、そしてAIを使ってデータ分析した結果をご紹介します。
FC-R8100-Pで取得できるデータ
FC-R8100-Pで取得できるデータは次の3つあります。
データの種類とわかること
それぞれ次の通りです。
Wahooのアプリ
シマノのFC-R8100-Pを使っていると、ワフーアプリでライドごとのL/Rパワーバランスと散布図が見られます。

左が「Activity details」、右が平均パワーをクリックすると表示される「パワーデータ」。個人的に参考にしているのが、L/Rパワーバランスの散布図です。
画像では左60.3%でバランス悪すぎです。散布図の各点も、50/50の線より上に集まっています。見るたびに、まだまだ改善できる!と伸びしろを感じますね。
fitファイル
fitデータには、毎秒のデータが記録されている模様。単純計算で、1時間のライドなら3600秒分の記録が得られるのです。散布図はアプリでも見られますが、各データの数値は取り出せません。出力帯ごとに平均する、ケイデンスをそろえて比べる、といったことをするにはfitファイルを開くしかありません。
ちなみに、分析に統計学などは全く不要です。AIに全部やってもらいます(後述)。
シマノのE-TUBE RIDEアプリ
漕ぎ終わってからではなく、ペダルを回しながらリアルタイムでパワーベクトルや左右バランスを見たいならシマノのE-TUBE RIDEアプリがおすすめ。下の画像のようなパワーベクトルでペダリングを可視化できます。

ベクトルの向き!左右バランス!タイミング!突っ込みどころだらけのカテゴリDライダー(汗)。伸びしろしかないです。ZwiftでカテゴリDやCの方、笑い事ではないですよ。もしかするとあなたも?
| パワー(合計) | 左 | 右 | L/R比 |
|---|---|---|---|
| 88W | 50W | 38W | 55/45 |
| 98W | 59W | 39W | 59/41 |
| 105W | 59W | 46W | 56/44 |
| 105W | 63W | 42W | 60/40 |
| 119W | 69W | 50W | 58/42 |
| 122W | 77W | 45W | 63/37 |
パワーを上げるほど左に偏りました。丁寧に回しているつもりなのですが。
- プロ選手でも48:52くらいのズレは珍しくない
- とくに低強度では出やすい
- 強度を上げるとバランスは揃っていくのが普通
- 99%のライダーにとって気にする話ではない
- 揃わない、あるいは強度を上げて悪化する場合はバイクフィッターに相談する価値がある
(出典:Cycling Weekly「Ask a coach: Should I be worried about a left/right power imbalance when cycling?」)
3週間、記録し続けてわかったこと
2026年7月19日から8月8日まで、Zwiftのグループライドとレースを記録してみました。
| 日付 | 種類 | 平均パワー | ケイデンス | 左 | 右 |
|---|---|---|---|---|---|
| 7/19 | レース | 149W | 79rpm | 56% | 44% |
| 7/21 | グループ | 70W | 59rpm | 44.9% | 55.1% |
| 7/22 | グループ | 138W | 79rpm | 55.5% | 44.5% |
| 7/23 | グループ | 86W | 63rpm | 55.5% | 44.5% |
| 7/24 | グループ | 124W | 74rpm | 51.9% | 48.1% |
| 7/25 | グループ | 132W | 78rpm | 51.4% | 48.6% |
| 7/26 | グループ | 131W | 78rpm | 53.9% | 46.1% |
| 7/27 | グループ | 113W | 73rpm | 50.1% | 49.9% |
| 7/28 | レース | 138W | 77rpm | 53.6% | 46.4% |
| 7/28 | グループ | 63W | 62rpm | 45.1% | 54.9% |
| 7/30 | TTT | 146W | 73rpm | 57.1% | 42.9% |
| 8/4 | グループ | 129W | 76rpm | 58.4% | 41.6% |
| 8/4 | グループ | 93W | 69rpm | 54.2% | 45.8% |
| 8/5 | グループ | 125W | 78rpm | 60.3% | 39.7% |
| 8/6 | グループ | 91W | 67rpm | 51.8% | 48.2% |
| 8/6 | グループ | 67W | 66rpm | 50.2% | 49.8% |
| 8/7 | グループ | 67W | 67rpm | 50.5% | 49.5% |
| 8/8 | グループ | 102W | 74rpm | 52.5% | 47.5% |
このデータをAIに読み込ませて分析してもらいました。
パワーメーターのデータをAIで分析
ライドの平均パワーを横軸に、左バランスを縦軸にしたグラフにデータをプロットしてもらいました。

トレンドラインを見ても明らかですが、平均パワーが上がると左寄りになる。63Wの日は45.1%、149Wの日は56.0%でした。
つぎに平均ケイデンスを横軸に、左バランスを縦軸にプロットしてもらいました。

ケイデンスを横軸にしても、同じような傾向となりました。59rpmの日は44.9%、78rpmの日は60.3%です。
ここまでが、Wahooアプリのデータで分かったことです。
さらに、次のようなデータもありました。ほぼ同じケイデンスとパワーで左右バランスが全然違うのです。
| 日付 | 平均パワー | ケイデンス | 左 |
|---|---|---|---|
| 7/25 | 132W | 78rpm | 51.4% |
| 8/5 | 125W | 78rpm | 60.3% |
回転数は同じ78rpm、パワーも7Wしか違わないのに9ポイントも左右バランスが異なっていました。
fitファイルでさらに詳細な分析も可能
fitファイルをAIに読み込ませれば、指定ケイデンス内でのパワー分布や左右バランスといった、詳細なデータも可視化できます。

6本ぶん(合わせて17,481秒)で調べてみた結果は下の通り。ケイデンス別に区切り、その中でパワー別に左右バランスを調べました。
| 55〜65rpm | 65〜75rpm | 75〜85rpm | 85〜95rpm | |
|---|---|---|---|---|
| 75〜100W | 47.7% | 52.7% | 56.0% | — |
| 100〜125W | 49.7% | 54.3% | 54.9% | — |
| 125〜150W | — | 55.8% | 55.9% | 55.6% |
| 150〜200W | — | 56.0% | 57.8% | 57.3% |
どの出力帯でも、回転数が上がると左に寄っています。55〜65rpmの列だけが50%を割りました。
AI分析の手順
パワーメーターFC-R8100-Pのデータ分析をした手順を紹介します。
と言っても、AIにデータを渡しただけなんですけどね。ちなみに、使っているAIは Anthropic の Claude(クロード)です。fitファイルをそのまま渡して、ペダリングを分析して!と言えば、集計してグラフまで返してくれます。
- ペダリング解析なら:左右バランスをパワー別に、ケイデンス別にと指定したり、
- 心拍の分析なら:パワー別心拍数、平均心拍数の推移
など、自分好みの切り口で分析できるのが最高です。しかも、面倒な集計作業は全部AIがやってくれる!最高すぎる。
1.アプリのスクショをAIに渡して表にする(おすすめしない)
スクショをアップするのが面倒。しかもデータが少ないのであまりおすすめしません。

このテーブル表はAIが作成してくれました。
2.fitファイルをAIに読み込ませる方法(おすすめ)
詳細なデータを丸投げする方法です。簡単でおすすめ。あとから切り口を変えて分析することも可能。
fitデータをダウンロードする
ワフーのアプリから直接ダウンロードするボタンは見当たりませんでしたので、わたしはStravaからエクスポートしました。Zwiftデータは連携しているStravaにアップされるので、Stravaアクティビティのページを開いて「…」から「オリジナルをエクスポート」を選択すればfitデータをエクスポートできます。

fitファイルをAIに丸投げする
fitデータの中身はこんな感じ。fitファイルは、AIに渡して表にしてもらうと見えます。表の中の「Wahooアプリから書き出した」は、Stravaの間違いかと思う。

分析して!と頼む。出力とケイデンスをそろえて平均を出してくれた
そのfitデータをAIが分析してくれました。

出力とケイデンスの両方で区切って、左バランスの平均を出した表です。データが少ない枠は「-」になっています。
左に偏ってベクトルもおかしい理由は?
おそらくですが、、、
- わたしは脊柱側弯症で、脊柱に構造的な左右差があります。それゆえ骨盤が左下がりになっているから?
- もしくは4年ほど左片側クランクパワーメーターを使っていたので、左で踏む癖がついている?
- 抗がん剤の副作用で両足がしびれていて、足裏から「今どこにペダルがあるか」というフィードバックを感じにくい。なので5〜6時への到達が分からずにベクトルが下に伸びてしまう?
そんな感じかな。
でも、このパワーメーターのおかげで、ペダリングがおかしいことを把握できたのはいい。効果的な改善策も取りやすいはず。パワーを知るだけなら片側で十分ですが、ペダリングを分析するなら両側が必須ですね。
計測に使ったもの
| パワーメーター | シマノ FC-R8100-P(アルテグラ・両側計測) |
| スマートトレーナー | Wahoo KICKR CORE 2(Zwift Cog) |
| AI | Claude(Maxプラン) |
| L/Rバランス | Wahoo アプリでライド後に確認 |
| fitデータ | Strava(PC版)からダウンロード |
| ベクトル計測 | E-TUBE RIDE アプリ(専用モード) |
| 解析 | SHIMANO CONNECT Lab |
Wahoo アプリの日本語表記について

メインテーマとは離れますが、看過できないレベルなので注記しておきます。
