パワーメーターで左右バランスを計測|ケイデンスを上げると左に寄っていました

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シマノFC-R8100-Pのクランク。ケイデンスを上げると左に寄る

Zwiftでレースに出ています。FTPを上げたい、100kmを余裕で流したい、坂を効率よく登りたい。そう思って乗ってきましたが、自分のペダリングが実際どうなっているかは、見たことがありませんでした。

シマノのFC-R8100-P(アルテグラのパワーメーター付きクランク)をZwift用バイクのBassoに付けました。パワーだけでなく、ペダリング中の左右バランスや力の大きさと向き(フォースベクトル)も見られます。

シマノFC-R8100-P アルテグラのパワーメーター付きクランク
シマノ FC-R8100-P(アルテグラ)。左右それぞれのパワーを測ります

ローラーの上で丁寧に回してるつもりでしたが、データはペダリングのアンバランスを示していました。

目次

ワフーのアプリで見られるもの|ライドごとの集計

シマノのパワーメーターを使っていると、ワフーのアプリでライドごとのL/Rパワーバランスと散布図が見られます。

Wahooアプリのライド詳細とL/Rパワーバランスの画面
Wahooに毎回記録されるデータ例(8/5・125W・78rpm・左60.3%)

左が「Activity details」、右が平均パワーをクリックすると表示される「パワーデータ」。この日は左60.3%で、左のほうが強く出ています。散布図の点も、50/50の線より上に集まっています。

わたしが使用しているパワーメーターはこちら▼

シマノ(SHIMANO) FC-R8100-P アルテグラ パワーメーター内蔵クランク(両側計測)

一方で下の画像のようなパワーベクトルは、シマノのE-TUBE RIDEアプリで専用の計測モードに切り替えないと見られません。普段のZwiftライドでは記録されないので、意図して測る必要があります。

Shimano FC-R8100-Pパワーメーターで計測したパワーベクトル
パワーベクトル画像

3週間、ライドごとに記録しました

2026年7月19日から8月8日まで、Zwiftのグループライドとレースを記録してみました。

日付種類平均パワーケイデンス
7/19レース149W79rpm56%44%
7/21グループ70W59rpm44.9%55.1%
7/22グループ138W79rpm55.5%44.5%
7/23グループ86W63rpm55.5%44.5%
7/24グループ124W74rpm51.9%48.1%
7/25グループ132W78rpm51.4%48.6%
7/26グループ131W78rpm53.9%46.1%
7/27グループ113W73rpm50.1%49.9%
7/28レース138W77rpm53.6%46.4%
7/28グループ63W62rpm45.1%54.9%
7/30TTT146W73rpm57.1%42.9%
8/4グループ129W76rpm58.4%41.6%
8/4グループ93W69rpm54.2%45.8%
8/5グループ125W78rpm60.3%39.7%
8/6グループ91W67rpm51.8%48.2%
8/6グループ67W66rpm50.2%49.8%
8/7グループ67W67rpm50.5%49.5%
8/8グループ102W74rpm52.5%47.5%

このでーたをAIに読み込ませて分析してもらいました。

パワーメーターのデータを分析する

ライドの平均パワーを横軸に、左バランスを縦軸にしたグラフにデータをプロットしてもらいました。

ライドの平均パワーと左バランス
ライドの平均パワーと左バランス

トレンドラインを見ても明らかですが、平均パワーが上がると左寄りとなっています。63Wの日は44.9%、149Wの日は56.0%でした。

つぎに平均ケイデンスを横軸に、左バランスを縦軸にプロットしてもらいました。

ライドの平均ケイデンスと左バランス
ライドの平均ケイデンスと左バランス

ケイデンスを横軸にしても、同じような傾向となりました。59rpmの日は44.9%、78rpmの日は60.3%です。

強く踏んだ日、速く回した日は、左に寄る。記録したライド全体で、これは共通していました。ここまでが、アプリのデータで分かったことです。

ただし、一般的に同じギアならケイデンスを上げればパワーも上がります。上の2枚のグラフは、同じことを別の角度から見ているだけかもしれません。

さらに、次のようなデータもありました。ほぼ同じケイデンスとパワーで左右バランスが全然違うのです。

日付平均パワーケイデンス
7/25132W78rpm51.4%
8/5125W78rpm60.3%

回転数は同じ78rpm、パワーも7Wしか違わないのに9ポイントも左右バランスが異なる。

fitファイルを除いたら違いが見えました

アプリが出すのは、ライド1本につき1つの平均です。fitファイルには、1秒ごとのより詳細な記録がそのまま残っています。


だから「ケイデンスが75〜85rpmだった秒」だけを抜き出して、その中でパワーごとに比べる、という分析もできます。平均してしまうと消えてしまうデータが、fitファイルには残っているのです。

fitファイルから取り出した1ライドぶんの左右バランス
1ライドぶん3,139秒のデータ。右は出力帯ごとに平均したもの

6本ぶん、合わせて17,481秒。ケイデンス別に区切り、その中でパワー別に左右バランスを調べたのが次の表です。

出力とケイデンスをそろえた左バランスの比較
同じ出力の中で、回転数だけを変えて比べたところ
55〜65rpm65〜75rpm75〜85rpm85〜95rpm
75〜100W47.7%52.7%56.0%
100〜125W49.7%54.3%54.9%
125〜150W55.8%55.9%55.6%
150〜200W56.0%57.8%57.3%

どの出力帯でも、回転数が上がると左に寄っています。55〜65rpmの列だけが50%を割りました。

変えるもの左バランスの動き
パワーを10W上げる+0.19ポイント
ケイデンスを10rpm上げる+2.15ポイント

効いていたのは回転数でした。パワーは、ケイデンスをそろえて比べるとほとんど動きません。10W上げても0.2ポイントしか変わりません。今回のデータで言えるのは、ここまでです。

ただし、同じ出力で回転数を上げれば、1回転あたりの踏力は下がります。効いているのが回転数なのか踏力なのかは、これでは分けられません。

これからはfitファイルで見ていきます

fitデータには、3,000のデータ(50分ライドの場合)あります。分析もしやすいので、今後はfitデータで記録していきます。

どこまで見えるのか、3つに分かれます

見られるもの手間
ワフーのアプリライド全体のL/Rバランス(平均ひとつ)/出力ごとの散布図/ゾーン別の時間/平均パワー・ケイデンス・心拍開くだけ
fitファイル1秒ごとの左右バランス・パワー・ケイデンス・心拍・速度・標高・勾配。1ライドで3,000〜4,700行エクスポートして開く
E-TUBE RIDEフォースベクトル(力の向き)専用モードに切り替えて計測

散布図はアプリでも見られますが、見えるだけで数値は取り出せません。出力帯ごとに平均する、ケイデンスをそろえて比べる、といったことをするには、fitを開くしかありませんでした。

なお、トルク効率とペダルスムーズネスの欄はfitの中にありましたが、中身は空でした。あれはE-TUBE側でしか取れないようです。

fitファイルのエクスポート方法

ワフーのアプリから直接ダウンロードするボタンはありません。わたしはStravaからエクスポートしました。Zwiftデータは連携しているStravaにアップされるので、Stravaアクティビティのページを開いて「…」から「オリジナルをエクスポート」を選択すればfitデータをエクスポートできます。

Stravaのアクティビティ画面。「…」から「オリジナルをエクスポート」を選ぶとfitファイルが落ちてくる
Stravaのアクティビティ画面。「…」から「オリジナルをエクスポート」を選ぶ

わたしが分析した手順

1. アプリの画面をAIに渡して、表にしてもらった

アプリの画面をもとに、AIがまとめたライドごとの数字
アプリの画面をもとに、AIがまとめたライドごとの数字

ライドごとのアプリ画面を、スクリーンショットで撮って渡しました。青字がアプリの表示そのままの値です。

2. fitファイルをAIに渡した

fitファイルをエクセルに読み込んだところ。1秒ごとにパワー・ケイデンス・心拍・左右バランスが並ぶ
fitファイルをエクセルに読み込んだところ。1秒ごとにパワー・ケイデンス・心拍・左右バランスが並ぶ

fitはそのままでは開けません。1秒ごとの表にしてもらいました。6ライドぶんで17,481行です。

💡 日本語が文字化けしたら fitをCSVに変換してエクセルで開くと、日本語が文字化けすることがあります。エクセルがCSVをShift_JISとして読もうとするためです。CSVをUTF-8(BOM付き)で保存し直すか、エクセルの「データ」タブ →「テキストまたはCSVから」で文字コードにUTF-8を指定して読み込むと直ります。

3. 出力とケイデンスをそろえて平均を出してもらった

エクセルの集計シート。出力帯×ケイデンス帯で左バランスの平均を出したクロス表
エクセルの集計シート。出力帯×ケイデンス帯で左バランスの平均を出したクロス表

出力とケイデンスの両方で区切って、左バランスの平均を出した表です。データが少ない枠は「-」になっています。

4. グラフにしてもらった

出力帯ごと・ケイデンス帯ごとの左バランスを並べた棒グラフ
出力帯ごと・ケイデンス帯ごとの左バランスを並べた棒グラフ

同じ出力でも、ケイデンスが高いほうが左に寄っていました。

自分の感覚では、左右揃えて踏んでいるつもりでした。しかし、データはケイデンスを上げると左寄りになることを示し、右足を活かせていないことに気づけました。これまで4iiiiの片側パワーメーターを使ってきました。パワーを知るだけなら片側で十分ですが、分析するなら両側パワーメーターが必須ですね。安い機材ではありませんが、ペダリング分析をしたい方には価値ある商品だと思います。

E-TUBEで測った数字|パワーを上げると左に寄った

パワー(合計)L/R比
88W50W38W55/45
98W59W39W59/41
105W59W46W56/44
105W63W42W60/40
119W69W50W58/42
122W77W45W63/37
E-TUBE RIDEの左右パワー表示 88Wで55:45、122Wで63:37
88Wのとき55:45。122Wになると63:37

88Wのとき55:45。122Wになると63:37。

この計測では、パワーを上げるほど左に偏りました。丁寧に回しているつもりでしたが、、、

💡 左右バランスは、どのくらいが普通なのか シマノもガーミンもワフーも、「何%なら正常」という基準は公表していません。数字を出しているのはコーチ側です。

Cycling Weeklyに載ったコーチ James Spragg 氏の回答では、プロ選手でも48:52くらいのズレは珍しくなく、とくに低強度では出やすいとのことです。そして「強度を上げるとバランスは揃っていくのが普通」で、99%のライダーにとって気にする話ではない。揃わない、あるいは強度を上げて悪化する場合だけ、バイクフィッターに相談する価値があるとしています。

わたしの18本では、左が上回った日が16本、右が上回った日が2本。幅は44.9%から60.3%でした。強度が上がると揃っていく、という形にはなっていません。むしろ開く方向に見えますが、同じ出力で逆の結果も出ているので言い切れません。

(出典:Cycling Weekly「Ask a coach: Should I be worried about a left/right power imbalance when cycling?」)

Wahoo アプリの日本語表記について

メインテーマとは離れますが、看過ならないレベルなので注記しておきます。

💡 アプリの日本語表示にはミスがあります 「正しいバランス」と出ているのは Right(右)のことです。左右のバランスを表示する欄なので、「正しい」ではありません。ゾーン別の時間でも、単位のWが「西」になっています(Zone 1 0 – 91 西)。数字そのものは正しいので実害はありませんが、初めて見ると戸惑います。
ゾーン内の時間 単位のWが「西」と表示されている
「0 – 91 西」。Wが「西」になっています

西、、、なぞなぞレベルですよ。

左に偏る理由

わたしは脊柱側弯症で、脊柱に構造的な左右差があります。骨盤が左下がりになっているのです。

クセや筋力不足ではなく、骨格の問題です。メーカーが出している推奨セッティングも、雑誌やネットで見かける「基本のポジション」も、わたしの場合はバランスの悪い左寄りになってしまうので、セオリー通りではうまく漕げないのです。

シマノのパワーメーターのおかげで、数値で分析できるようになったのは大きい。

いま試していること

骨盤を水平にすることをまず意識します。あとはスムーズな円を描くペダリング。これに2か月くらい取り組んでみます。10月下旬まで。そこでまた見直しをかけたいです。

頻度やること
毎回ワフーのアプリで平均を見る(10秒)
月に1回fitをまとめてエクスポートし、AIに秒単位で集計してもらう
節目E-TUBEの専用モードでベクトルを測る

この記事は追記していきます

計測の条件はまだ決めていません。ケイデンスもギアも変えて、あらゆるパターンで測ってみるつもりです。

同じ条件で定期的に測って、数値を記録します。変わるのか、変わらないのか。それも含めて残します。

計測に使ったもの

パワーメーターシマノ FC-R8100-P(アルテグラ・両側計測)
スマートトレーナーWahoo KICKR CORE2(Zwift Cog)
サドルISM PL 1.1
L/RバランスWahoo アプリ(ライド後に確認/fitをエクスポート)
ベクトル計測E-TUBE RIDE アプリ(専用モード)
解析SHIMANO CONNECT Lab
シマノ(SHIMANO) FC-R8100-P アルテグラ パワーメーター内蔵クランク(両側計測)
ワフー(Wahoo Fitness) KICKR CORE 2 ZWIFT COG and Click
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