Zwiftでレースに出ています。FTPを上げたい、100kmを余裕で流したい、坂を効率よく登りたい。そう思って乗ってきましたが、自分のペダリングが実際どうなっているかは、見たことがありませんでした。
シマノのFC-R8100-P(アルテグラのパワーメーター付きクランク)をZwift用バイクのBassoに付けました。パワーだけでなく、ペダリング中の左右バランスや力の大きさと向き(フォースベクトル)も見られます。

ローラーの上で丁寧に回してるつもりでしたが、データはペダリングのアンバランスを示していました。
ワフーのアプリで見られるもの|ライドごとの集計
シマノのパワーメーターを使っていると、ワフーのアプリでライドごとのL/Rパワーバランスと散布図が見られます。

左が「Activity details」、右が平均パワーをクリックすると表示される「パワーデータ」。この日は左60.3%で、左のほうが強く出ています。散布図の点も、50/50の線より上に集まっています。
わたしが使用しているパワーメーターはこちら▼
一方で下の画像のようなパワーベクトルは、シマノのE-TUBE RIDEアプリで専用の計測モードに切り替えないと見られません。普段のZwiftライドでは記録されないので、意図して測る必要があります。

3週間、ライドごとに記録しました
2026年7月19日から8月8日まで、Zwiftのグループライドとレースを記録してみました。
| 日付 | 種類 | 平均パワー | ケイデンス | 左 | 右 |
|---|---|---|---|---|---|
| 7/19 | レース | 149W | 79rpm | 56% | 44% |
| 7/21 | グループ | 70W | 59rpm | 44.9% | 55.1% |
| 7/22 | グループ | 138W | 79rpm | 55.5% | 44.5% |
| 7/23 | グループ | 86W | 63rpm | 55.5% | 44.5% |
| 7/24 | グループ | 124W | 74rpm | 51.9% | 48.1% |
| 7/25 | グループ | 132W | 78rpm | 51.4% | 48.6% |
| 7/26 | グループ | 131W | 78rpm | 53.9% | 46.1% |
| 7/27 | グループ | 113W | 73rpm | 50.1% | 49.9% |
| 7/28 | レース | 138W | 77rpm | 53.6% | 46.4% |
| 7/28 | グループ | 63W | 62rpm | 45.1% | 54.9% |
| 7/30 | TTT | 146W | 73rpm | 57.1% | 42.9% |
| 8/4 | グループ | 129W | 76rpm | 58.4% | 41.6% |
| 8/4 | グループ | 93W | 69rpm | 54.2% | 45.8% |
| 8/5 | グループ | 125W | 78rpm | 60.3% | 39.7% |
| 8/6 | グループ | 91W | 67rpm | 51.8% | 48.2% |
| 8/6 | グループ | 67W | 66rpm | 50.2% | 49.8% |
| 8/7 | グループ | 67W | 67rpm | 50.5% | 49.5% |
| 8/8 | グループ | 102W | 74rpm | 52.5% | 47.5% |
このでーたをAIに読み込ませて分析してもらいました。
パワーメーターのデータを分析する
ライドの平均パワーを横軸に、左バランスを縦軸にしたグラフにデータをプロットしてもらいました。

トレンドラインを見ても明らかですが、平均パワーが上がると左寄りとなっています。63Wの日は44.9%、149Wの日は56.0%でした。
つぎに平均ケイデンスを横軸に、左バランスを縦軸にプロットしてもらいました。

ケイデンスを横軸にしても、同じような傾向となりました。59rpmの日は44.9%、78rpmの日は60.3%です。
強く踏んだ日、速く回した日は、左に寄る。記録したライド全体で、これは共通していました。ここまでが、アプリのデータで分かったことです。
ただし、一般的に同じギアならケイデンスを上げればパワーも上がります。上の2枚のグラフは、同じことを別の角度から見ているだけかもしれません。
さらに、次のようなデータもありました。ほぼ同じケイデンスとパワーで左右バランスが全然違うのです。
| 日付 | 平均パワー | ケイデンス | 左 |
|---|---|---|---|
| 7/25 | 132W | 78rpm | 51.4% |
| 8/5 | 125W | 78rpm | 60.3% |
回転数は同じ78rpm、パワーも7Wしか違わないのに9ポイントも左右バランスが異なる。
fitファイルを除いたら違いが見えました
アプリが出すのは、ライド1本につき1つの平均です。fitファイルには、1秒ごとのより詳細な記録がそのまま残っています。
だから「ケイデンスが75〜85rpmだった秒」だけを抜き出して、その中でパワーごとに比べる、という分析もできます。平均してしまうと消えてしまうデータが、fitファイルには残っているのです。

6本ぶん、合わせて17,481秒。ケイデンス別に区切り、その中でパワー別に左右バランスを調べたのが次の表です。

| 55〜65rpm | 65〜75rpm | 75〜85rpm | 85〜95rpm | |
|---|---|---|---|---|
| 75〜100W | 47.7% | 52.7% | 56.0% | — |
| 100〜125W | 49.7% | 54.3% | 54.9% | — |
| 125〜150W | — | 55.8% | 55.9% | 55.6% |
| 150〜200W | — | 56.0% | 57.8% | 57.3% |
どの出力帯でも、回転数が上がると左に寄っています。55〜65rpmの列だけが50%を割りました。
| 変えるもの | 左バランスの動き |
|---|---|
| パワーを10W上げる | +0.19ポイント |
| ケイデンスを10rpm上げる | +2.15ポイント |
効いていたのは回転数でした。パワーは、ケイデンスをそろえて比べるとほとんど動きません。10W上げても0.2ポイントしか変わりません。今回のデータで言えるのは、ここまでです。
ただし、同じ出力で回転数を上げれば、1回転あたりの踏力は下がります。効いているのが回転数なのか踏力なのかは、これでは分けられません。
これからはfitファイルで見ていきます
fitデータには、3,000のデータ(50分ライドの場合)あります。分析もしやすいので、今後はfitデータで記録していきます。
どこまで見えるのか、3つに分かれます
| 見られるもの | 手間 | |
|---|---|---|
| ワフーのアプリ | ライド全体のL/Rバランス(平均ひとつ)/出力ごとの散布図/ゾーン別の時間/平均パワー・ケイデンス・心拍 | 開くだけ |
| fitファイル | 1秒ごとの左右バランス・パワー・ケイデンス・心拍・速度・標高・勾配。1ライドで3,000〜4,700行 | エクスポートして開く |
| E-TUBE RIDE | フォースベクトル(力の向き) | 専用モードに切り替えて計測 |
散布図はアプリでも見られますが、見えるだけで数値は取り出せません。出力帯ごとに平均する、ケイデンスをそろえて比べる、といったことをするには、fitを開くしかありませんでした。
なお、トルク効率とペダルスムーズネスの欄はfitの中にありましたが、中身は空でした。あれはE-TUBE側でしか取れないようです。
fitファイルのエクスポート方法
ワフーのアプリから直接ダウンロードするボタンはありません。わたしはStravaからエクスポートしました。Zwiftデータは連携しているStravaにアップされるので、Stravaアクティビティのページを開いて「…」から「オリジナルをエクスポート」を選択すればfitデータをエクスポートできます。

わたしが分析した手順
1. アプリの画面をAIに渡して、表にしてもらった

ライドごとのアプリ画面を、スクリーンショットで撮って渡しました。青字がアプリの表示そのままの値です。
2. fitファイルをAIに渡した

fitはそのままでは開けません。1秒ごとの表にしてもらいました。6ライドぶんで17,481行です。
3. 出力とケイデンスをそろえて平均を出してもらった

出力とケイデンスの両方で区切って、左バランスの平均を出した表です。データが少ない枠は「-」になっています。
4. グラフにしてもらった

同じ出力でも、ケイデンスが高いほうが左に寄っていました。
自分の感覚では、左右揃えて踏んでいるつもりでした。しかし、データはケイデンスを上げると左寄りになることを示し、右足を活かせていないことに気づけました。これまで4iiiiの片側パワーメーターを使ってきました。パワーを知るだけなら片側で十分ですが、分析するなら両側パワーメーターが必須ですね。安い機材ではありませんが、ペダリング分析をしたい方には価値ある商品だと思います。
E-TUBEで測った数字|パワーを上げると左に寄った
| パワー(合計) | 左 | 右 | L/R比 |
|---|---|---|---|
| 88W | 50W | 38W | 55/45 |
| 98W | 59W | 39W | 59/41 |
| 105W | 59W | 46W | 56/44 |
| 105W | 63W | 42W | 60/40 |
| 119W | 69W | 50W | 58/42 |
| 122W | 77W | 45W | 63/37 |

88Wのとき55:45。122Wになると63:37。
この計測では、パワーを上げるほど左に偏りました。丁寧に回しているつもりでしたが、、、
Cycling Weeklyに載ったコーチ James Spragg 氏の回答では、プロ選手でも48:52くらいのズレは珍しくなく、とくに低強度では出やすいとのことです。そして「強度を上げるとバランスは揃っていくのが普通」で、99%のライダーにとって気にする話ではない。揃わない、あるいは強度を上げて悪化する場合だけ、バイクフィッターに相談する価値があるとしています。
わたしの18本では、左が上回った日が16本、右が上回った日が2本。幅は44.9%から60.3%でした。強度が上がると揃っていく、という形にはなっていません。むしろ開く方向に見えますが、同じ出力で逆の結果も出ているので言い切れません。
(出典:Cycling Weekly「Ask a coach: Should I be worried about a left/right power imbalance when cycling?」)
Wahoo アプリの日本語表記について
メインテーマとは離れますが、看過ならないレベルなので注記しておきます。

西、、、なぞなぞレベルですよ。
左に偏る理由
わたしは脊柱側弯症で、脊柱に構造的な左右差があります。骨盤が左下がりになっているのです。
クセや筋力不足ではなく、骨格の問題です。メーカーが出している推奨セッティングも、雑誌やネットで見かける「基本のポジション」も、わたしの場合はバランスの悪い左寄りになってしまうので、セオリー通りではうまく漕げないのです。
シマノのパワーメーターのおかげで、数値で分析できるようになったのは大きい。
いま試していること
骨盤を水平にすることをまず意識します。あとはスムーズな円を描くペダリング。これに2か月くらい取り組んでみます。10月下旬まで。そこでまた見直しをかけたいです。
| 頻度 | やること |
|---|---|
| 毎回 | ワフーのアプリで平均を見る(10秒) |
| 月に1回 | fitをまとめてエクスポートし、AIに秒単位で集計してもらう |
| 節目 | E-TUBEの専用モードでベクトルを測る |
この記事は追記していきます
計測の条件はまだ決めていません。ケイデンスもギアも変えて、あらゆるパターンで測ってみるつもりです。
同じ条件で定期的に測って、数値を記録します。変わるのか、変わらないのか。それも含めて残します。
計測に使ったもの
| パワーメーター | シマノ FC-R8100-P(アルテグラ・両側計測) |
| スマートトレーナー | Wahoo KICKR CORE2(Zwift Cog) |
| サドル | ISM PL 1.1 |
| L/Rバランス | Wahoo アプリ(ライド後に確認/fitをエクスポート) |
| ベクトル計測 | E-TUBE RIDE アプリ(専用モード) |
| 解析 | SHIMANO CONNECT Lab |
