シマノ アルテグラのパワーメーター FC-R8100-P|片側から両側に替えて見えた左右差

本記事には広告が含まれます。
シマノFC-R8100-Pのクランク。ケイデンスを上げると左に寄る

これまで4iiiiの片側パワーメーターを使ってきました。パワーを知るだけならこれで十分でしたが、効率のよさ(左右バランスやベクトル)は分かりませんでした。

そこで、シマノのFC-R8100-P(アルテグラのパワーメーター付きクランク)を購入して、Zwift用バイクに付けました。左右を別々に測るので、左右バランスや力の大きさと向き(フォースベクトル)も見られます。

シマノFC-R8100-P アルテグラのパワーメーター付きクランク
シマノ FC-R8100-P(アルテグラ)。左右それぞれのパワーを測ります

計測してビックリ。左右そろえて踏んでいるつもりでしたけど、酷いときは左63%、右37%とかで、それはもう衝撃でしたよ。2018年からZwiftしてるのに、そんなペダリングしてたとは・・・。

この記事では、 FC-R8100-Pで取得できるデータ、そしてAIを使ってデータ分析した結果をご紹介します。

シマノ(SHIMANO) FC-R8100-P アルテグラ パワーメーター内蔵クランク(両側計測)
目次

FC-R8100-Pで取得できるデータ

FC-R8100-Pで取得できるデータは次の3つあります。

データの種類とわかること

ワフーのアプリ 開くだけ
ライド全体のL/Rバランス(平均ひとつ)/出力ごとの散布図/ゾーン別の時間/平均パワー・ケイデンス・心拍
fitファイル エクスポートして開く
1秒ごとの左右バランス・パワー・ケイデンス・心拍・速度・標高・勾配
E-TUBE RIDE 専用モードに切り替えて計測
フォースベクトル(力の向き)

それぞれ次の通りです。

Wahooのアプリ

シマノのFC-R8100-Pを使っていると、ワフーアプリでライドごとのL/Rパワーバランスと散布図が見られます。

Wahooアプリのライド詳細とL/Rパワーバランスの画面
Wahooに毎回記録されるデータ例(8/5・125W・78rpm・左60.3%)

左が「Activity details」、右が平均パワーをクリックすると表示される「パワーデータ」。個人的に参考にしているのが、L/Rパワーバランスの散布図です。

画像では左60.3%でバランス悪すぎです。散布図の各点も、50/50の線より上に集まっています。見るたびに、まだまだ改善できる!と伸びしろを感じますね。

fitファイル

fitデータには、毎秒のデータが記録されている模様。単純計算で、1時間のライドなら3600秒分の記録が得られるのです。散布図はアプリでも見られますが、各データの数値は取り出せません。出力帯ごとに平均する、ケイデンスをそろえて比べる、といったことをするにはfitファイルを開くしかありません。

ちなみに、分析に統計学などは全く不要です。AIに全部やってもらいます(後述)。

fitファイルはGarminオリジナルのバイナリデータなので、テキストファイルなどで開くと文字化けして読み取れません。

シマノのE-TUBE RIDEアプリ

漕ぎ終わってからではなく、ペダルを回しながらリアルタイムでパワーベクトルや左右バランスを見たいならシマノのE-TUBE RIDEアプリがおすすめ。下の画像のようなパワーベクトルでペダリングを可視化できます。

E-TUBE RIDEの左右パワー表示 88Wで55:45、122Wで63:37
88Wのとき55:45。122Wになると63:37

ベクトルの向き!左右バランス!タイミング!突っ込みどころだらけのカテゴリDライダー(汗)。伸びしろしかないです。ZwiftでカテゴリDやCの方、笑い事ではないですよ。もしかするとあなたも?

パワー(合計)左右L/R比
88W50W38W55/45
98W59W39W59/41
105W59W46W56/44
105W63W42W60/40
119W69W50W58/42
122W77W45W63/37

パワーを上げるほど左に偏りました。丁寧に回しているつもりなのですが。

※パワーメーターを専用の計測モードへ切り替える必要があります。

💡 左右バランスは、どのくらいが普通? シマノもガーミンもWahooも、「何%なら正常」という基準は公表していません。Cycling Weeklyに載ったコーチ James Spragg 氏によると、
  1. プロ選手でも48:52くらいのズレは珍しくない
  2. とくに低強度では出やすい
  3. 強度を上げるとバランスは揃っていくのが普通
  4. 99%のライダーにとって気にする話ではない
  5. 揃わない、あるいは強度を上げて悪化する場合はバイクフィッターに相談する価値がある
としています。

(出典:Cycling Weekly「Ask a coach: Should I be worried about a left/right power imbalance when cycling?」)

3週間、記録し続けてわかったこと

2026年7月19日から8月8日まで、Zwiftのグループライドとレースを記録してみました。

日付種類平均パワーケイデンス左右
7/19レース149W79rpm56%44%
7/21グループ70W59rpm44.9%55.1%
7/22グループ138W79rpm55.5%44.5%
7/23グループ86W63rpm55.5%44.5%
7/24グループ124W74rpm51.9%48.1%
7/25グループ132W78rpm51.4%48.6%
7/26グループ131W78rpm53.9%46.1%
7/27グループ113W73rpm50.1%49.9%
7/28レース138W77rpm53.6%46.4%
7/28グループ63W62rpm45.1%54.9%
7/30TTT146W73rpm57.1%42.9%
8/4グループ129W76rpm58.4%41.6%
8/4グループ93W69rpm54.2%45.8%
8/5グループ125W78rpm60.3%39.7%
8/6グループ91W67rpm51.8%48.2%
8/6グループ67W66rpm50.2%49.8%
8/7グループ67W67rpm50.5%49.5%
8/8グループ102W74rpm52.5%47.5%

このデータをAIに読み込ませて分析してもらいました。

パワーメーターのデータをAIで分析

ライドの平均パワーを横軸に、左バランスを縦軸にしたグラフにデータをプロットしてもらいました。

ライドの平均パワーと左バランス
ライドの平均パワーと左バランス

トレンドラインを見ても明らかですが、平均パワーが上がると左寄りになる。63Wの日は45.1%、149Wの日は56.0%でした。

つぎに平均ケイデンスを横軸に、左バランスを縦軸にプロットしてもらいました。

ライドの平均ケイデンスと左バランス
ライドの平均ケイデンスと左バランス

ケイデンスを横軸にしても、同じような傾向となりました。59rpmの日は44.9%、78rpmの日は60.3%です。

ここまでが、Wahooアプリのデータで分かったことです。

さらに、次のようなデータもありました。ほぼ同じケイデンスとパワーで左右バランスが全然違うのです。

日付平均パワーケイデンス左
7/25132W78rpm51.4%
8/5125W78rpm60.3%

回転数は同じ78rpm、パワーも7Wしか違わないのに9ポイントも左右バランスが異なっていました。

fitファイルでさらに詳細な分析も可能

fitファイルをAIに読み込ませれば、指定ケイデンス内でのパワー分布や左右バランスといった、詳細なデータも可視化できます。

fitファイルから取り出した1ライドぶんの左右バランス
1ライドぶん3,139秒のデータ。右は出力帯ごとに平均したもの

6本ぶん(合わせて17,481秒)で調べてみた結果は下の通り。ケイデンス別に区切り、その中でパワー別に左右バランスを調べました。

55〜65rpm65〜75rpm75〜85rpm85〜95rpm
75〜100W47.7%52.7%56.0%—
100〜125W49.7%54.3%54.9%—
125〜150W—55.8%55.9%55.6%
150〜200W—56.0%57.8%57.3%

どの出力帯でも、回転数が上がると左に寄っています。55〜65rpmの列だけが50%を割りました。

AI分析の手順

パワーメーターFC-R8100-Pのデータ分析をした手順を紹介します。

と言っても、AIにデータを渡しただけなんですけどね。ちなみに、使っているAIは Anthropic の Claude(クロード)です。fitファイルをそのまま渡して、ペダリングを分析して!と言えば、集計してグラフまで返してくれます。

  • ペダリング解析なら:左右バランスをパワー別に、ケイデンス別にと指定したり、
  • 心拍の分析なら:パワー別心拍数、平均心拍数の推移

など、自分好みの切り口で分析できるのが最高です。しかも、面倒な集計作業は全部AIがやってくれる!最高すぎる。

1.アプリのスクショをAIに渡して表にする(おすすめしない)

スクショをアップするのが面倒。しかもデータが少ないのであまりおすすめしません。

アプリの画面をもとに、AIがまとめたライドごとの数字
アプリの画面をもとに、AIがまとめたライドごとの数字

このテーブル表はAIが作成してくれました。

2.fitファイルをAIに読み込ませる方法(おすすめ)

詳細なデータを丸投げする方法です。簡単でおすすめ。あとから切り口を変えて分析することも可能。

fitデータをダウンロードする

ワフーのアプリから直接ダウンロードするボタンは見当たりませんでしたので、わたしはStravaからエクスポートしました。Zwiftデータは連携しているStravaにアップされるので、Stravaアクティビティのページを開いて「…」から「オリジナルをエクスポート」を選択すればfitデータをエクスポートできます。

Stravaのアクティビティ画面。「…」から「オリジナルをエクスポート」を選ぶとfitファイルが落ちてくる
Stravaのアクティビティ画面。「…」から「オリジナルをエクスポート」を選ぶ

fitファイルをAIに丸投げする

fitデータの中身はこんな感じ。fitファイルは、AIに渡して表にしてもらうと見えます。表の中の「Wahooアプリから書き出した」は、Stravaの間違いかと思う。

fitファイルをエクセルに読み込んだところ。1秒ごとにパワー・ケイデンス・心拍・左右バランスが並ぶ
fitファイルをエクセルに読み込んだところ。1秒ごとにパワー・ケイデンス・心拍・左右バランスが並ぶ

分析して!と頼む。出力とケイデンスをそろえて平均を出してくれた

そのfitデータをAIが分析してくれました。

エクセルの集計シート。出力帯×ケイデンス帯で左バランスの平均を出したクロス表
エクセルの集計シート。出力帯×ケイデンス帯で左バランスの平均を出したクロス表

出力とケイデンスの両方で区切って、左バランスの平均を出した表です。データが少ない枠は「-」になっています。

左に偏ってベクトルもおかしい理由は?

おそらくですが、、、

  • わたしは脊柱側弯症で、脊柱に構造的な左右差があります。それゆえ骨盤が左下がりになっているから?
  • もしくは4年ほど左片側クランクパワーメーターを使っていたので、左で踏む癖がついている?
  • 抗がん剤の副作用で両足がしびれていて、足裏から「今どこにペダルがあるか」というフィードバックを感じにくい。なので5〜6時への到達が分からずにベクトルが下に伸びてしまう?

そんな感じかな。

でも、このパワーメーターのおかげで、ペダリングがおかしいことを把握できたのはいい。効果的な改善策も取りやすいはず。パワーを知るだけなら片側で十分ですが、ペダリングを分析するなら両側が必須ですね。

計測に使ったもの

パワーメーターシマノ FC-R8100-P(アルテグラ・両側計測)
スマートトレーナーWahoo KICKR CORE 2(Zwift Cog)
AIClaude(Maxプラン)
L/RバランスWahoo アプリでライド後に確認
fitデータStrava(PC版)からダウンロード
ベクトル計測E-TUBE RIDE アプリ(専用モード)
解析SHIMANO CONNECT Lab
シマノ(SHIMANO) FC-R8100-P アルテグラ パワーメーター内蔵クランク(両側計測)

Wahoo アプリの日本語表記について

ゾーン内の時間 単位のWが「西」と表示されている
「0 – 91 西」。Wが「西」になっています

メインテーマとは離れますが、看過できないレベルなので注記しておきます。

💡 アプリの日本語表示にはミスがあります 「正しいバランス」と出ているのは Right(右)のことです。左右のバランスを表示する欄なので、「正しい」ではありません。ゾーン別の時間でも、単位のWが「西」になっています(Zone 1 0 – 91 西)。数字そのものは正しいので実害はありませんが、初めて見ると戸惑います。
よかったらシェアお願いします
目次